企画展・特別展

南伊部町油屋治兵衛家所蔵品展

 長浜市曳山博物館(館長:板山英信)では、企画展「曳山を生んだ長浜の美術と文化② 南伊部町(みなみいべちょう)油屋(あぶらや)治兵衛家(じへえけ)所蔵品展」を開催します。

 油屋治兵衛家は、江戸時代から南伊部町(長浜市元浜町)に居住し、油を製造販売する油問屋を家業としていました。家伝では、羽柴秀吉(はしばひでよし)(1537-98)が小谷城(おだにじょう)から長浜城へ移ってきた時に小谷城下の伊部町から一緒に移住してきたと伝わります。江戸時代後期には長浜町米札小引替所御用掛や物主役・御仕法引替役を歴任し、彦根藩への上納金により苗字帯刀を許されたように長浜町の中でも有力な町衆でした。

 この企画展では、油屋治兵衛家に伝わる多くの絵画、古文書、工芸品をはじめとする文化財を、町衆の財力やその審美眼などについて再確認し、長浜曳山祭を支えてきた町衆文化について紹介します。

企画展情報

開催期間:
平成30年3月12日(月)~5月6日(日)
会場:
長浜市曳山博物館 1F曳山展示室
休館日:
会期中無休
入場料:
大人600円、小中学生300円
※20名以上の団体は2割引、長浜市・米原市の小・中学生、長浜市内の高校生は無料。
※身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳等をお持ちの方及び付添いの方1名は無料。(手帳等証明書をご提示ください)

主催:公益財団法人 長浜曳山文化協会

展示説明会

日時:
3月17日(土) 13:30~
場所:
長浜市曳山博物館 1F曳山展示室
説明者:
長浜市曳山博物館 学芸員
参加費用:
※要入館料

パンフレットダウンロード

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主な展示資料

3)源義家像   円山応震筆

1幅 絹本著色  105.7×40.0 江戸時代(後期)

長浜城歴史博物館

展示期間:3月12日~4月15日

源義家(みなもとのよしいえ)(1039-1106)は、前九年の役をはじめ各地で活躍した平安時代の武将。石(いわ)清水(しみず)八幡宮(はちまんぐう)(八幡市八幡高坊)で元服したことから八幡(はちまん)太郎(たろう)とも呼ばれる。長浜曳山祭が催される長浜八幡宮(長浜市宮前町)は、社伝によると義家ので建立されたといわれる。

 本作は、日の丸の扇を持ち獣皮に座る義家の姿を、細かな筆致と濃密な彩色で描く。陣幕に描かれている阿吽(あうん)の二羽の白鳩は、軍神とされる八幡宮の神の使いとして武家の旗などに描かれた。本作をはじめ義家に関する資料が長浜の商家に伝わっていることが多く、長浜八幡宮を建立したと伝わる義家は、長浜の町衆にとって親しみ深い人物であったと考えられる。作者の円山応震(まるやまおうしん)(1790-1838)は、円山応挙(まるやまおうきょ)(1733-95)の孫で江戸時代後期京都を中心に活躍した絵師である。

 

 

 

 

 

8)幽霊・仔犬に髑髏・白蔵主図

巨勢小石筆 3幅対 

紙本淡彩 各146.8×36.0

江戸時代(後期)~大正時代 

長浜城歴史博物館

  

 

 中幅に幽霊、右幅に仔犬に髑髏、左幅に白蔵主(はくぞうす)図を描く怪談をモチーフにした三幅対である。筆で表装を描く描表装で、幽霊が浮かび上がるような表現や掛軸から仔犬と髑髏、白蔵主が飛び出すようにだまし絵の手法で描かれている。3幅ともに巨勢小石の落款があり、左幅「白蔵主図」には「倣蘆雪小石」とあり、円山応挙に学んだ江戸時代中期を代表する京都の絵師長澤蘆雪(ながさわろせつ)(1754-99)が描いた「幽霊・仔犬に髑髏・白蔵主図」(藤田美術館蔵)の模写であることが分かる。四居台三が小石に自らの肖像画を依頼したように油屋治兵衛家と小石の交流から本作が伝わった可能性がある。

 

 

 

 

 10)六角定頼書状 市川吉澄宛

1幅 紙本墨書 

15.6×35.5

室町時代(後期)

長浜城歴史博物館

 六角氏は、室町幕府の守護大名で近江国南部を領有していた。定頼は、浅井亮政・久政時代の六角氏の当主である。この書状は、琵琶湖岸の志那湊(草津市志那町)を管轄していた土豪市川源介吉澄に宛てたもの。内容は、蜜柑1箱200個を贈られた際の礼状である。市川氏と六角氏の関係が、定頼段階の戦国時代中期にまで遡ることを実証した貴重な書状である。

 

 

 

 

12)浅井長政書状 樋口直房宛

1幅 紙本墨書 室町時代(後期)

 長浜城歴史博物館

 

 湖北の戦国大名浅井氏の3代目である浅井長政が、堀氏の宿老・樋口三郎兵衛尉直房に対して、堀次郎左衛門尉秀村からの祝儀として三種類の贈物を受け取った礼を述べた文書である。樋口直房は坂田郡樋口村(米原市樋口)の土豪で、坂田郡番場村(米原市番場)の土豪である堀氏の宿老であった。浅井氏が南近江の六角氏との境目近くを守る両氏を重要視していたことが良く判る。

 

15)刀 銘備前国住長船則光作/寛正五年八月吉日

1口  鍛鉄  "刃長66.7 列2.3" 寛正5年(1464)

 長浜城歴史博物館

 備前国長船村(岡山県邑久郡長船町)の鍛冶・則光の作刀である。室町時代中期以降の長船鍛冶を「末備前」と呼ぶ。則光は、末備前を代表する鍛冶の一人で、一族や門下に「則光」銘を刻む鍛冶が多数いる。本刀は、地刃の出来から五郎左衛門尉則光の作刀と考えられる。地鉄は、板目肌流れ、刃文は互の目丁子刃を焼く。