企画展・特別展

曳山を彩る絵師たちIII 八木奇峰

 長浜市曳山博物館(館長:岡本保男)では企画展「曳山を彩る絵師たちIII 八木 奇峰」を開催します。

 八木奇峰は、近江国浅井郡下八木村(現長浜市下八木町)出身の画人で、初めは長浜町下船町(長浜市朝日町)にいた絵師、山縣岐鳳に弟子入りしました。その後、奇峰は師の仲介により改めて京都で活躍していた松村景文に弟子入りします。この新しい師の下でも奇峰は技量を認められたようで、高弟の内のひとりとして名を連ねることになります。

 奇峰は景文の門下に入って以降、京都を拠点に活動しました。記録に残る奇峰の最初の画事は東本願寺白書院杉戸絵の制作で、その他にも大きな仕事としては、元離宮二条城本丸御殿の襖絵および杉戸絵や、御所の襖絵の制作にたずさわっています。そうした寺院や公家、京都町衆をはじめとする客の依頼に応じて絵を描いていたようです。

 このように京都で一流の絵師として活躍する一方で、奇峰は故郷である湖北の地にも数々の作品を残しています。竹生島宝厳寺の文専上人の求めに応じて制作した《蓮鷺図》、故郷 下八木村の慈栄寺に伝わる《田家図襖》などは、今日まで湖北に伝わる優品です。また、神戸町組孔雀山の舞台障子腰襖《芙蓉四十雀図》と楽屋襖《紅葉鳩図》も奇峰の手による作品であり、長浜曳山祭とも縁のある画人といえます。

 今回の企画展では、以上のような湖北に残された奇峰の作品を展示、紹介します。湖北に生まれ育ち、京都画壇の第一線で活躍したこの画人を皆様に知っていただく機会になれば幸いです。

企画展情報

開催期間:
平成30年10月4日(木)~11月4日(日)
会場:
長浜市曳山博物館 1F曳山展示室
開館時間:
9時~17時(入館は16時30分まで)
休館日:
会期中無休
入場料:
大人600円、小中学生300円
※20名以上の団体は2割引、長浜市・米原市の小・中学生無料。
※身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳等をお持ちの方及
び付添いの方1名は無料。(手帳等証明書をご提示ください)

展示説明会

日時:
10月6日(土) 13:30~
場所:
長浜市曳山博物館 1F曳山展示室
説明者:
長浜市曳山博物館 学芸員
参加費用:
要入館料(予約不要)

パンフレットダウンロード

ファイル種類:PDF  サイズ:4MB

展示資料画像

松村景文像

 

孔雀山楽屋襖

 

蓮鷺図

 

芙蓉四十雀図(孔雀山舞台障子)